顧客事例

バンヤン・グループ: ホテル、ホスピタリティ、飲食業界 における脱炭素化をリード

作成者: Terrascope Team|2024/02/24 2:00:00

 

提供サービス

企業カーボンフットプリント(CCF)

業界

ホスピタリティ、不動産開発

本社所在地

シンガポール

会社規模

世界中に79のリゾートを展開
12,000人以上の従業員

主な成果
  • 包括的なスコープ1、2、および3のGHG排出量の測定

  • 13万以上の活動項目を排出量データに変換するためのスケーラブルなデータ管理ソリューションの導入

  • 14か国76拠点にわたるサプライチェーンの排出ホットスポットの可視化

 

バンヤン・グループについて 

バンヤン・グループ(Banyan Group)は、世界をリードしながらマルチブランドを展開する独立系ホスピタリティ・グループです。環境保全とウェルビーイング(健康と幸福)という企業ミッションを軸に、デザイン主導の卓越した経験をお客様に提供しています。 アジア、アメリカ、アフリカ、中東に76のホテルとリゾート施設を展開し、1994年にシンガポールで設立されて以来、持続可能な開発を推進してきました。

同社は、自らの排出量フットプリントを詳細に理解し、施設やサプライチェーンにおける脱炭素化を計画するため、Terrascopeと提携し、持続可能性に向けた次のステップを踏み出しました。

 

課題 

今回がバンヤン・グループにとってはじめてのGHG(温室効果ガス)排出量測定であり、排出量計算に必要なビジネス活動データを収集するための集中管理されたシステムは存在しませんでした。同社は、アジア、アメリカ、アフリカ、中東の14か国にわたる76のホテルとリゾート施設を展開しています。主な課題は、排出量の主要な発生源を特定し、複数のシステムや形式、オフラインソースから関連するデータを見つけ出し、それらを排出量計算に適したデータセットとして統合することでした。

さらに、バンヤン・グループは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)報告との整合性を図り、サプライチェーン全体にわたるスコープ3の排出量を包括的に理解することがビジネス上不可欠となっていました。

Terrascopeのソリューション

バンヤン・グループは、データ管理の合理化と拡張性を高めるためにTerrascopeプラットフォームを活用しました。13万以上の活動項目を約2,000の管理可能なグループに整理しました。また、AIを活用したマッチングにより、排出データに変換するために必要な最も関連性の高い排出係数を見つけ出しました。さらに、Terrascopeプラットフォームは、データの欠落部分を特定し、不足しているデータの推定値を補完することも実現しました。

Terrascopeは、バンヤングループのバリューチェーン全体の排出量に対して詳細なインサイトを提供し、次のような目的を達成しました。


(1)  重要な排出ホットポットの特定
脱炭素化戦略を集中させるべき、最も重要な排出源を特定しました。

(2) 業界とのベンチマーク
バンヤン・グループとホスピタリティ業界の同業他社を比較し、業界リーダーと比べた持続可能性のパフォーマンスを認識できました。

(3) 継続できる排出量測定と報告プロセスの構築
排出量を長期的に追跡し、年々の変動の真の原因を把握するための持続可能なプロセスを確立しました。


排出量のインサイト

Terrascopeのプラットフォームにより、上位5つの活動項目が全排出量の7割以上を占めていることが明らかになりました。電力が最も多く、次いで食料という結果です。


食料の詳細を分析するために、Terrascopeは、消費量と排出量の関係を提示し、ホテル運営チームが具体的にどの食材が最も排出量に寄与しているのか、また食品ロスの削減が与える影響を理解できるようサポートしました。

 

また、TerrascopeはGHG排出量の測定だけでなく、バンヤン・グループのサイトから得た固有の情報に衛星データの情報を加えることにより、会社が設立された年から20年間にわたる樹木被覆の損失とそれに伴う排出量を計算しました。これにより、バンヤン・グループはTCFDの要件に基づき、LUC(土地利用変化)の影響を評価することもできました。

その結果、LUCはバンヤン・グループの総排出量の1%未満であることが明らかになり、今後の報告において問題とならないことが確認されました。



 


バンヤン・グループにもたらされた価値

Terrascopeが提供した3つの価値をご紹介します。

スピードと運用効率の向上

Terrascopeのデータ管理とAI機能により、データの収集、取り込み、統合、変換プロセスが迅速化されました。その結果、79の施設、76の事業体、13万の活動項目に関する測定サイクルを、従来の数ヶ月ではなく、数週間で完了させることができました。

評判リスクの低減とサステナビリティのリーダーシップの実現

バンヤン・グループは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の要件に基づくスコープ3の排出量測定と報告ができ、信頼性を持って開示できるようになりました。さらに、各市場における異なる業界の排出強度を可視化することで、リーダーたちは今後、カーボンフットプリントのオーナーシップをより強く持てるようになりました。

脱炭素投資の最適化

Terrascopeのプラットフォームは、脱炭素化投資を最大化するための基盤を築き、財務的および環境的要素を組み合わせた限界削減コスト曲線(MACC)の作成に貢献しました。この曲線により、脱炭素化の取り組みが最大限に発揮されるようになりました。