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脱炭素化コンサルティングとは?具体施策やTerrascopeの成功事例を解説

作成者: Terrascopeチーム|2024/44/10

 

 

目次

  1. 脱炭素経営とは

  2. 脱炭素化の加速とコンサルの重要性

  3. 脱炭素コンサルティングとは
    1. データ分析・測定
    2. 情報開示
    3. 削減案の策定・実行支援

  4. Terrascopeの脱炭素化コンサル支援・成功事例
    1. AIを活用したスコープ3排出量測定の脱炭素化事例|三菱食品
    2.  サプライチェーン排出量を約25%削減した脱炭素事例|MCアグリアライアンス

 

 

 

脱炭素経営とは

脱炭素経営とは、気候変動への対応を踏まえ長期的な利益を追求する企業経営のことです。企業は脱炭素経営により、気候変動によるリスクを回避するとともに、ESG投資獲得、ブランド価値向上、新市場開拓など、多面的・長期的に成長できる可能性があります。

地球温暖化によって引き起こされる気候変動の悪影響はすでに広範囲に及んでおり、人間社会に複数のリスクをもたらすことが科学的に明らかになりました。地球温暖化の原因は、二酸化炭素などのGHG(温室効果ガス)の増加です。

温暖化の進行を止め、地球規模の甚大な被害を避けるためには、世界中から排出されるGHGの排出を削減しなければなりません。

今日の国際社会では、2050年までにGHGの排出量と吸収量を均衡させ実質的にゼロにする「2050年カーボンニュートラル」が、共通の目標となっています。

このような流れのなか、企業のGHG排出量削減への取り組みや環境戦略は、投資家にとって重要な投資判断基準として重視されます。

また、サプライチェーン全体での排出量削減が求められ、取引先からの要請が高まる可能性があるほか、消費者の環境意識の高まりとエシカル消費の広がりも無視できません。

一方で、脱炭素関連で新たにビジネスを展開できる機会と捉えることもできます。

脱炭素に関わる取り組みの成否が企業の競争力に直結するといっても過言ではなく、脱炭素経営の必要性がますます高まっているのです。

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脱炭素化の加速とコンサルの重要性


各国政府がGHG排出について具体的な削減目標を定め、社会全体で脱炭素化の動きが加速する現状で、注目されるのが脱炭素コンサルタントの存在です。

2020年10月、日本政府も2050年までにGHGの排出を実質ゼロにし、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。この宣言以降、積極的な環境対策の推進により産業構造や経済社会を変革し、経済成長をめざす流れへと政策が転換しています。

具体的には、国の主導による脱炭素関連の重要分野への投資、補助金・税制優遇などによる自治体や企業の取り組みの支援、炭素税・排出量取引制度の導入などです。

従来にひきつづき省エネ法と温対法などの法令を順守することはもちろん、積極的な脱炭素経営による差別化や成長を目指すには、企業が対応すべき課題が少なくありません。

GHGの排出量の把握、削減計画の作成と実行、情報開示と認証取得などについて、自社のみで検討し実行するには負担が大きいでしょう。

そこで、大いに頼れるのが脱炭素コンサルタントです。幅広い情報と専門的な知見をもつ脱炭素コンサルタントが、脱炭素経営を目指す企業に寄り添いながら多角的なサポートをしてくれます。

 

 

脱炭素コンサルティングとは

脱炭素コンサルティングとは、企業のGHG排出量削減をはじめ、脱炭素経営の実現を支援するサービスです。脱炭素経営の取り組みには、社内での意識の共有・排出量算定・排出量削減の3段階があります。

まずはじめに、脱炭素経営を通して目指す企業像はどのようなものかを全社員で共有することが重要です。そして、現状把握のために自社事業に関わる排出量を算定し、削減対策を取捨選択のうえ長期計画を策定、実行していきます。

それぞれの場面で脱炭素コンサルティングを活用し、ニーズに合わせてサービスを選択することが可能です。脱炭素コンサルティングが提供するサービスの例について、具体的に説明していきます。

 

a. データ分析・測定

法令に基づく報告や透明性の高い情報公開には、自社の排出量を測定し把握することが不可欠です。また、主要な排出源の特定や削減可能なポイントの抽出は、実行可能な削減計画の基礎となります。

排出量には、自社による直接排出(スコープ1)、自社が購入・使用した電力などによる間接排出(スコープ2)、自社事業に関連する他社の排出(スコープ3)があります。

これら全てを算定するには相当の労力とノウハウが必要ですが、脱炭素コンサルタントが提供する独自のシステムなどの利用により効率的に進めることが可能です。

便利に可視化できるツールも開発されており、排出量だけでなくエネルギーコストやカーボンフットプリントの「見える化」も考えられます。

関連記事:CO2排出量の計算方法・Terrascope活用企業の事例

 

b. 情報開示

一定規模以上の企業に対しGHGの排出量の公表が法令で義務付けられているほか、投資家や消費者に脱炭素の取り組みをアピールすることは、企業価値の向上に有効です。

関連記事:GHGプロトコルと温対法の違い・グローバル企業に求められる脱炭素化の規格と対応

GHGを一定量以上排出する事業者は温対法に基づき排出量の算定・報告・公表を義務付けられています。また併せて、省エネ法に基づくエネルギー使用状況の届出が必要な場合もあります。
参考:環境省・温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度

さらに、東証プライム市場の上場企業はTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)又はそれと同等の枠組みによって、ガバナンス体制、気候変動に係るリスク及び収益機会に与える影響、リスク管理・評価、評価に用いる指標と目標の情報開示が義務づけられました。
参考:環境省・「金融機関におけるTCFD開示に基づくエンゲージメント実践ガイダンス」の公表について

他にも、投資家が投資先選定の基準の一つとして重視しているCDP質問書では、環境に与える影響について問われますが、それに対する回答が公開され企業の評価を左右します。

環境意識の高い企業として実績をあげるには、国際的な脱炭素イニシアティブであるSBT、RE100などの認証取得も考えられるでしょう。

脱炭素コンサルタントは、法令に基づく報告、TCFD、SBT認証、RE100への対応、CDPの回答作成など、情報開示が必要な場面で豊富な経験に基づき適切に支援してくれます。

 

c. 削減案の策定・実行支援

削減案の策定・実行支援のメニューは、目標設定・削減計画立案・実行支援・効果測定など多岐にわたります。

まず、現状の排出量と追求する企業像を踏まえ、中長期の削減目標を設定します。

目標に向けて実現可能性の高い削減計画を策定するには、エネルギーや原材料の調達リスク、最新技術や消費動向なども加味したい要素です。

次に、実現可能性と効果の大きさを考慮して、具体的な削減施策を検討していきます。

スコープ1の削減には、省エネや物流の効率化が基本となり、省エネ設備導入や原材料・燃料の変更、製造過程や物流の見直し、電気自動車の導入などが考えられます。利用可能な公的補助のリサーチも疎かにできません。

スコープ2の削減には、再エネへの転換が有効です。再エネ主体の電力プランへの変更や、無償で再エネ発電設備を設置し発電した電気を利用できるPPA(電力販売契約)の活用により、再エネ比率を上げられます。

スコープ3の削減はサプライチェーン全体での排出量削減にかかっており、取引先との連携が欠かせません。脱炭素ソリューションを提供できれば、協力を得やすいでしょう。

関連記事:スコープ3の算定が難しい理由とは?Terrascopeの解決策・企業事例

なお、自社の努力だけでは削減が不十分な場合、再エネ証書やカーボンオフセットの活用で削減しきれない分を埋め合わせできます。

削減計画は策定・実行するだけでなく、効果測定とフィードバックが必要です。さらに、今後導入されるカーボンプライシングや排出量取引への対応も、視野にいれなければなりません。

以上のような脱炭素関連の取り組みの検討と、それにともなう煩雑な手続きについては、脱炭素コンサルタントの活用が有効です。蓄積されたノウハウと専門性により、社内の人材だけでは解決できない様々な課題についても、最適な支援を受けられます。

 

 

Terrascopeの脱炭素化コンサル支援・成功事例

最後に、実際に脱炭素化の支援ツールである「Terrascope(テラスコープ)」と、弊社のコンサルティング支援を活用した、企業の具体的な成功事例をご紹介します。

 

a.  AIを活用したスコープ3排出量測定の脱炭素化事例|三菱食品

総合食品商社である三菱食品は、気候変動に伴う将来的なリスクである炭素価格の導入が、食のサプライチェーンへ大きな影響をもたらすと分析し、持続可能なサプライチェーンの構築を目指し、早期にスコープ3の計測・可視化に取り組んできました。
当初の課題としては、数千のサプライヤー、製造業者、小売業者に散在する膨大な業務データの収集でした。受発注管理単位のSKUは24万件超で、それぞれに異なる製造方法、保管方法、輸送方法などのメタデータがあり、手作業で処理し、公開開示に必要なトレーサビリティを確保することに困難を抱えていました。

その後Terrascopeのシステムを採用し、AIを活用して24万件超のSKUを類似した約2,000の製品カテゴリに自動分類することで、スコープ3を含む排出量ベースラインの算出、重要なホットスポットの特定が実現されました。

Terrascopeのデータ管理・取り込み・自動分類などの機能によって、人的リソース・時間コストの大幅な削減も可能となり、更に踏み込んだ計測の可能性が期待できるようになっています。

事例詳細ページ:三菱食品・AIを活用したスコープ3排出量の測定のコンサル事例

 

b. サプライチェーン排出量を約25%削減した脱炭素事例|MCアグリアライアンス

食品類を日本に輸入し販売する、三菱商事とOlamの合弁会社であるMCアグリアライアンスは、Terrascopeのシステムとコンサルティングによる、「排出量削減シミュレーション」を活用し、サプライチェーン全体での排出量削減のシナリオを特定しました。これにより、最大25%の削減ポテンシャルを明らかにし、持続可能性と事業効率を向上させ、排出量削減だけでなく、コスト削減や運営リスクの低減の効果にも繋がっています。

元々、同社の排出量の大部分はサプライチェーン上流で発生しており、加工場所や輸送ルートの影響が不明瞭でした。データの不足と信頼性の欠如が、正確な分析と排出量削減に向けた効率的な行動の妨げとなっていました。

Terrascopeを導入し、スコープ3排出量を細かく算出、シミュレーション機能で加工・輸送の最適化シナリオを分析し、排出量の削減策を特定しました。これにより、削減目標に向けた具体的なロードマップが構築され、反復可能で洗練された排出量測定および報告プロセスを確立しました。

事例詳細ページ:サプライチェーン排出量の削減・脱炭素化のコンサル支援事例

 

ご紹介した一部の企業事例のように、Terrascope(テラスコープ)の脱炭素化プラットフォームでは、排出量の測定、削減計画・目標設定と実行、情報開示・レポーティングなど、脱炭素化の各種プロセスをサポートする機能と、サステナビリティ専門家とカーボンデータ分析家のコンサルティングを提供しています。

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