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気候変動への対応

2 22, 2024

ネットゼロとは?Terrascopeのソフトウェア機能や有力企業の取組み事例を解説

国内外で企業活動の取組みの重要性が増す「ネットゼロ」とはどのような意味で対応が必要なのでしょうか。カーボンニュートラルとの違いや、ネットゼロを支援するソフトウェアTerrascope(テラスコープ)の機能や特徴、利用する有力企業の取り組み事例を紹介します。

国内外で国際的に目標として掲げられ、企業活動としても取り組みの重要性が増している「ネットゼロ」とはどのような意味で対応が必要なのでしょうか。
類似の「カーボンニュートラル」との違いや、代表的なネットゼロを支援するソフトウェアTerrascope(テラスコープ)の機能や特徴、同システムを利用する有力企業の取り組み事例をご紹介します。

 


目次

  1. ネットゼロとは?
  2. カーボンニュートラルとの違い
  3. ネットゼロエミッションとは?
  4. ネットゼロ支援ソフトウェアの機能・特徴
  5. Terrascopeのソフトウェア活用企業の取組み事例
    - MCアグリアライアンス(三菱商事とOlamの合弁会社)
    - 三菱食品株式会社
    - Princes Group(英国の大手食品飲料企業)

 

 

ネットゼロとは

carbon-pricing-it-role-in-reducing-CO2e

ネットゼロとは温室効果ガスの正味排出量をゼロにするという意味で、地球温暖化対策を進めるための考え方の一つです。
ネット(Net)には和訳すると「正味の」という意味があります。
正味排出量ゼロとは排出量と吸収量の合計をゼロにするという意味で、排出量自体をゼロにするということではありません。

ネットゼロは2015年に開催されたCOP21で採択されたパリ協定において注目されるようになりました。
さらに2018年にIPCC(気候変動に関する政府間パネル)において「1.5℃特別報告書」の中で、ネットゼロが必要であると記載されました。
そうした背景をもとに現在では国内外の多くの政府がネットゼロを目標としてかがけるようになりました。

日本国内では「グリーン成長戦略」、「ZEB」といった取り組みが始まっています。
グリーン成長戦略は政府が企業や研究機関に対して、ネットゼロへの取り組みに支援金や税控除を行う制度のことで、「ZEB」はネット・ゼロ・エネルギー・ビルの略称で、建物の改修や新規建設時に建物のエネルギー消費を正味ゼロにすることです。

海外ではネットゼロに向けてEU、アメリカなどを中心に取り組みが進められています。
例えば洋上風力や太陽光発電などの再生可能エネルギー量を増加させて、化石燃料の使用量を削減する取り組みです。
その他には温室効果ガスの排出量に対して課税する制度によって、企業に対して排出量削減を促すことを計画しています。

 

カーボンニュートラルとの違い

カーボンニュートラル

「ネットゼロ」と「カーボンニュートラル」はいずれも地球温暖化対策において、重要な取り組みに考えられています。
どちらも温室効果ガスの増加量をゼロにするという言葉として考えられていて、あえて使い分けされない場合がありますが正確には違いがあります。

カーボンニュートラルは「排出したCO2量と同等量を森林などで吸収して全体の増加量をゼロにする」という考えで、日本政府が2050年に達成を目標としています。
日本以外にも世界の124か国と1地域がカーボンニュートラル実現を表明していて、これらの国と地域のCO2排出量は世界全体の1/3以上を占めています。

一方のネットゼロは同じく正味の排出量をゼロにするという内容ですが、対象はCO2に限らず他の温室効果ガス(メタンやフロンなど)も含まれます。
より広いガスを対象としているため、企業の気候変動・温暖化対策の基準とされています。
またパリ協定で認識された「世界の平均気温上昇を1.5℃以下にする」という目標達成でもネットゼロが不可欠だと定義されています。

 

ネットゼロエミッションとは?

_Agricultural Emissions_

ネットゼロの同義語としてその他には「ゼロエミッション」があります。
エミッションは和訳すると「排出」で、ゼロエミッションは排出量をゼロにすると訳すことができます。
つまりゼロエミッションとは人類が排出する温室効果ガスや廃棄物をゼロに近づけて、循環型社会を構築する取り組みのことです。
ゼロエミッションが取り入れられたきっかけは1994年に国連大学が提唱した「ゼロエミッション研究構想」で、2020年に日本政府により「2050年ゼロエミッション」達成が宣言されました。

ネットゼロとゼロエミッションの違いは、排出量をゼロにする対象範囲にあります。
前述したとおりネットゼロは温室効果ガス全般が対象となっていますが、ゼロエミッションでは資源も対象となります。
つまり人類の生産活動で発生する廃棄物を再利用するサーキュラーエコノミーなどに視野を広げ、より良い地球環境と循環型社会の構築に視野を広げます。

ゼロエミッションの取り組みには、例えばエコタウンと呼ばれる廃棄物ゼロや低炭素型社会を実践した地域づくりがあります。
エコタウンでは太陽光パネルや燃料電池、蓄電池を利用した再エネ活用、食品などの廃棄物を再資源化する取り組みが行われています。
その他にも脱炭素社会実現に取り組む企業をリスト化し投資家へ公開する「TCFDサミット」、都内の廃棄物再利用や再生可能エネルギー導入を目指す「ゼロエミッション東京戦略」など様々な活動が取り組まれています。

 

(その他の関連するトピック・記事)

- 脱炭素化とは?企業の課題・取組み・Terrascopeの成功事例
- カーボンフットプリントとは?計算方法・必要性・企業事例

 

ネットゼロ支援ソフトウェアの機能・特徴

Terrascope-expands-to-Japan-News

各企業は今後、政府や取引先などからのネットゼロへの取り組みを求められるようになります。
ネットゼロへの取り組みは急務となりますが、一方で必要な工数やコストが膨大になります。
対策として外部の脱炭素のシステムやサービスを利用することが世界的に広がっており、スピーディーで効率的な温暖化ガス対策を実施する方法があります。

例えば、ポッカ社や三菱商事の関連企業など、国内有力企業にも活用され、多くの実績を出しているサービス「Terrascope(テラスコープ)」には以下の機能・特徴があります。

 

■排出量データ管理

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画面例:サプライヤーデータ連携
Engage with Suppliers 2
画面例:サプライヤーデータ管理


ネットゼロへの取り組みの第1ステップである排出量データの管理は、膨大なデータ処理や不足データの取り扱いなどに企業は悩まされます。
Terrascopeのシステムは様々な形式のデータを、手動に比べて約5倍の速度で処理ができた事例もあります。
またデータの一部が不足している場合に、AIを活用してサプライチェーン排出量の上流・下流のギャップを埋めることが可能です。
特に算出が難しい上流側のサプライヤーデータは、製品を構成部品レベルに分解して排出量を算定できます。
こうして作成したデータはプロファイリング機能により、妥当性を評価することができます。

 

■排出量の測定・計算

Audit 2
画面例:スコープ123の排出量算定
Audit 1
画面例:排出量データの可視化


収集した排出量データをもとに効果的な排出量削減を進めるためには、次に排出要因を掘り下げて分析すること重要です。
Terrascopeは独自の信頼性の高い手法で、スコープ1、スコープ2、スコープ3の排出量に包括的に分類分けできます。
さらに企業のバリューチェーンにおける排出量の分類分けで、複数の国や事業、工場、プロセスごとに分析して対策すべきホットスポットを明らかにできます。
またサプライヤーの排出量データを効率的に収集できるカーボンドライバーツリーによって、シームレスにデータ送信が可能になります。

 

■削減施策の実施・レポート

Pull Abatement Levers
画面例:削減シミュレーションの作成・比較
Execute the Climate Strategy and Action Plan
画面例:排出量削減のトラッキング


排出量データの分析が完了すると、次に効果的に削減を進めるための計画立案・実施・管理が必要となります。
効果的な削減計画の立案のためにTerrascopeには「what-if」シナリオを構築するシミュレーション手法があります。
シミュレーションによって優先的に取り組みが必要なセクターを明らかにし、どこから対策を進めるべきか見える化できます。

続いて削減目標を設定して、ネットゼロへ向けたシナリオを作成します。
年度ごとの中間目標値を設定し、企業をネットゼロへ導く気候シナリオに統合します。
そして作成した削減計画の遂行をモニタリングして進捗状況を評価します。
独自のアクティビティリネージ機能は排出量測定の前年度変化要因を解析し、データのアプローチ、データ範囲、データ粒度、または使用されるEFの不一致を明らかにします。
さらに社外関係者への情報開示では、Terrascope独自のプラットフォームを用いて専用レポートを作成できます。
希望の形式にエクスポートが可能で、企業ごとのニーズにマッチした報告書の形式を選択できます。

(Terrascopeの機能詳細:プラットフォーム紹介

 

Terrascopeのソフトウェア活用企業のネットゼロ取組み事例

上記でご紹介したCO2排出量の計算や削減を通じて、ネットゼロ・脱炭素化を支援するTerrascopeのソフトウェアは、国内外のいくつもの有力企業によって活用され、日々取り組みがなされています。

ここではいくつかの代表的なTerrascope活用企業の取組み事例をご紹介します。

 

■MCアグリアライアンス

MC Agri Alliance

三菱商事とOlamの合弁会社である食品輸入・販売企業の「MCアグリアライアンス」は、近年、ネットゼロへの取り組みを強化しており、Terrascopeを採用してスコープ3排出量を含めた計測・削減に取り組んでいます。

Terrascopeツールを活用することで、排出量ホットスポットの特定、スコープ3排出量の包括的なベースラインの構築を達成し、スコープ3排出量の25%削減の可能性と、サプライチェーンコスト削減の可能性の把握が可能となりました。

(事例ページ:MCアグリアライアンス: GHG排出データを活用し、将来性のあるサプライチェーンを構築

 

■三菱食品株式会社
MSK_logo

総合食品商社である三菱食品は、食のビジネスを通じて持続可能な社会の実現に貢献することをパーパスに掲げ、2050年カーボンニュートラルやネットゼロの実現に向けCO2削減、スコープ3の把握に取り組んでいます。

気候変動に伴う将来的なリスクとして、「炭素価格の導入」が食のサプライチェーンへ大きな影響をもたらすとの分析から、早期にスコープ3の可視化へ着手。Terrascopeの機能で膨大なデータの分類・計測が可能となっています。

(事例ページ:三菱食品:気候開示に向けたサプライチェーン排出量の可視化

 

■Princes Group(英国の大手食品飲料企業)

Princes_Group_Logo

英国に本社を置く大手食品会社のPrinces Groupは、世界的な事業展開と複雑なサプライチェーンを持つ企業として、ネットゼロ・持続可能性に対する責任を真剣に受け止めて取組みを進めています。

持続可能性を重視する顧客とEUで厳格化された規制に備え、主要製品のカーボンフットプリント・排出量測定に取組みました。排出量の99%を占める上位30の活動を特定し、Terrascopeの5倍もの高速なデータ取込みプロセスにより、タイムリー且つデータ主導の意思決定のもと、脱炭素化への取組みを前進させています。

(事例ページ:Princes Group: データ収集から脱炭素化の取り組みをわずか8週間で実行

 


 

Terrascopeのプラットフォーム・システムでは、企業のネットゼロ・脱炭素化のプロセスをサポートする機能と、サステナビリティ専門家やカーボンデータ分析家のコンサルティングを提供しています。

機能の無料デモやご相談をお受けしていますので、下記フォームからお問合せください。
Terrascope Japanの担当者が、プラットフォーム・ツールのご紹介、サポート・コンサルについてのご説明や、まずはお気軽なご相談などにご対応させて頂きます。

 

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